女性主人公 犯罪を起こす 作品を紹介

映像不可能と呼ばれながらも

映像化してしまった

見ているだけで胸元にモヤモヤがたまり、息苦しくなってもおかしくない展開が連続する本作。それがまさかの映像化というのは、以前から作品を知っていた人は驚愕しただろう。筆者は作品が告知された時に興味を持ったので原作を読んでみたのだが、これを映像化しようと言う心意気を持つ人がいたことに驚いた。ただやはり地上波で放送できるかといえば、難しい話になってきます。何せ今の時代では地上波でやるには内容の展開があまりに鬱屈しすぎているがため、どうしても前向きな展開が見込めないのが一番の難点だ。まぁ生きるために殺人を行い、バレないようにと解体している時点でもうOUTもびっくりなほどアウトな作品です。正直ここまで見れば紙の月がなんと生易しい作品なのかがよく分かるでしょう。

正直、OUTよりもかなりやばい作品だと言っておく。あちらも大概常識という物でくくれば異常に当たるとはいえ、フジコの場合は殺害から解体まで全てを1人で行っているところが一番恐ろしい話だ。しかもその最後は全ての謎が明らかにされているようで、実は何も明らかにされていないという展開なのがまた黒い。ここで話の内容を書くのは簡単ですが、実際に見て感じないとわからない恐ろしさがあるため、狂気を知りたいという人はきちんと見るべきでしょう。

では何も明らかにされないまま物語が完結しているのかといえば、その後の続編であり真の意味で完結編と言える作品が発売されていた。そちらについても、簡単ではありますが触れておこう。先に行っておくと、前作と同等かそれ以上にエグい話となっています。

続編について

続編として発行された『インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実』は2012年に発売された。完全書き下ろしの続編であり、殺人鬼フジコと呼ばれた稀代の悪女であり殺人者でもある森沢藤子とは何者なのか、それが紐解かれている内容となっている。登場人物も前作でまだ生きている人を中心として、フジコとは何者なのか、彼女の原点とも言える一家惨殺事件で一体何があったのか、その真相を探ろうとする動きが描かれていた。

こちらについても簡単にあらすじを紹介していこう。

あらすじ

殺人鬼と呼ばれたフジコの死刑が執行されてから8年が経ったある日、彼女の叔母である下田茂子の息子の健太が起こした殺人事件についてインタビューに応じるという電話があった。主犯である健太は無罪を勝ち得ており、その時の心境を話すとだけあって連絡を受けた月刊グローブはなんとしても取材を取ろうという。

その取材を受けるために向かう里佳子・サツキ・井崎の三人。とんでもない特ダネが出てくると期待するが、それは絶望のプレリュードを意味しているに過ぎなかった。

唖然とする展開

今作では物語の主軸となるのが、フジコが生き残った後に引き取った叔母の茂子が再び登場してくる。そんな彼女の息子であり、男女数名をリンチして殺害したにも関わらずに無罪判決を勝ち得た健太という存在がキーポイントになる。取材に向かったものの、茂子は何かと理由をつけて延期や中止を言い渡すという展開が待ち受けていたのです。

ただこの時には取材班であるサツキと井崎だけで、里佳子はその場にいなかった。色々と都合があったがためにその場にいなかったため、取材が出来ない状況に置かれてしまったこともあって、彼女は1人狂気といえる親子の元を訪れてしまったのです。そこで何が待ち構えているのかも知らず、地獄の釜に足を入れるように踏み込んでしまった。どうなってしまうのか、言わなくても予期出来るのではないでしょうか。

誰が一番の悪者だったのか

明確な結末を明記するのは控えておく、何せネタバレというにはあまりに衝撃的なラストを迎えるからだ。そして前作で登場していたあの人がまさかそんな事件に巻き込まれていたなんて、という風な展開が待ち構えているのもある。それともう一つ、前作をキチンと読んだ上で感じたフジコに対する印象が、今作を読むことで実は彼女も被害者だったと180℃変わった見方に変貌すること間違い無しだ。

そう考えれば犯罪を肯定することは出来ずとも、森沢藤子とかつて呼ばれていた殺人鬼フジコに対して同情を抱く余地もほんの少し生まれてくるでしょう。