女性主人公 犯罪を起こす 作品を紹介

フジコ

より過激な作品として名高い

OUTを見ると紙の月という作品が軽く見えてしまう、片や死体解体、もう片や偽造文書と、罪の度合いに違いこそあれど犯罪であることに間違いない。日本国内でもこうした過激な作品が発表されていますが、情操教育的な観点から見ればあまり見せたくないと考える人も多そうだ。ただ好き好んで猟奇殺人者が活躍するような作品を見る、という衝動にはさすがの筆者も躊躇われる。どちらも有名な作品として知られていますが、内容の濃さは比較になりません。どちらも分類的にはサスペンスに近い性質を持っているものの、果たしてOUTがサスペンスと呼んでいい代物なのかはよく話し合わなくてはならなそうだ。

ですが、世の中にはOUT以上に過激で子供を持つ親にしてみれば見せたくない、と思わせる作品も存在しています。今から8年ほど前になりますが、発行されたその作品の内容はあまりの衝撃が含まれていた。けれどネット上で話題を呼び、50万部という売上を記録した作品でもある。話題性を含んでいれば映像化もあるとお思いでしょうが、こちらに関して言えば長らく映像化するのは映画であっても不可能とまで言われていた。どんな内容なんでしょうというと、それこそOUTなど比較にならない殺してバラしてを繰り返していく、1人の猟奇殺人者たる女性の半生を描いた物語となっています。

タイトルは『殺人鬼フジコの衝動』というもの、個人的には殺人鬼という言葉は軽すぎるのではないかと思うが、殺戮者と言うにはまだ境界線の外側に位置しているのかもしれません。そんな殺人鬼フジコの衝動ですが、昨年2015年に長く不可能と言われ続けていたがついに映像化という偉業を成し遂げた。

当然、話題を集めたので次はこちらの作品を取り上げていこう。

作品概要

今作が発表された際、戦慄された内容に誰もが驚愕を隠しきれなかったと語れます。何せ一から読んでいくと一番誰が悪人なのかと決めつける固定観念がその通りだと思う一方で、次第に進んでいくと作中の表現ないし展開が明らかに予想された内容とは違った動きを見せていくのだ。そのため、誰が一番の悪人なのかと先入観を持っていると後から大どんでん返しを受ける事になる。ただそれもハッピーエンドという締めくくりのいい終劇ではなく、強制的に次へと繋がっていくような続編めいた内容を連想させられるからだ。

筆者も読んでみたが、こう落とし前をつけたのかという驚きが一番に感じたものです。何せ一番最初に抱いた感情とは違った、物語の結末を迎えた後にあった思いはなんとも言えないモヤモヤ感が立ち込めていたものだ。そんな殺人鬼フジコの衝動、という作品もあらすじを見てみよう。

あらすじ

かつて一家惨殺事件の唯一の生き残りとして世間の注目を集めた『森沢藤子』という少女。彼女はそれまでの人生とは違った新しい生活に飛び込んでいくが、藤子はやがて『殺人鬼フジコ』と称されるようになる。自分の目的のためには手段を選ばず、その手で十数人を殺めた。歴史に名を残す悪女とばかりに殺人鬼となってしまったフジコ、だが彼女の半生は壮絶を通り越した絶望の連続だったのです。そして彼女がそうまでせざるを得なかったのも、悲しき過去が全ての尾を引いていたためでもあったのです。

冒頭部分の展開について

今作はいきなりフジコが殺人を犯している場面を描写しているのではなく、殺人鬼フジコがまだ『森沢藤子』という普通の少女だった頃の話から描かれています。けれど普通、というにはあまりに異質な少女であり、家庭環境はお世辞にも褒められるような理想的なものではありませんでした。決して貧しいわけではないのだが、彼女の両親が金銭感覚の崩壊を招いているがために小学校の給食費などを払えずにいるなど、困窮した状態に置かれていたのです。

そのため妹と共に学校ではいじめられ、体操服などの必要な道具も新調することすら叶わないほどに追いつめられていた。それくらい凄惨な家庭環境に置かれていた藤子がある時、猟奇殺人事件に巻き込まれてしまいます。帰宅した家には両親と妹の首が玄関に並べられており、家には彼らの胴体があるという状況だ。そこに犯人となる人物に襲撃されて辛うじて助かったものの、そのせいで藤子が殺人鬼フジコへと繋がる結末を辿ってしまうのです。

意味深な終わり方を迎える

映像化が不可能と言われていた今作ですが、確かにそれもそうだ。殺人鬼の半生というインパクトももちろんありますが、今作で描かれているのはまさに人間の業ともいうべき描写が次々に連続して起こる。それは愛憎入り交じった、数奇な状況をつくりだした挙句にフジコという殺人鬼が死刑に処されてしまうところで原作は幕を下ろす。

しかし本作を呼んだ人ならご存知かと思いますが、これだけで物語は終わりません。次に繋がる展開として用意されていたのが、全ての真実に繋がっていたのだ。