女性主人公 犯罪を起こす 作品を紹介

結末は

復讐の道筋として

さて、既に絶版で原作も見ることが出来ない、映像作品としてもかなり前となっているので今作に関してはおもいっきりネタバレ全開でいこう。復讐をするとは決意したものの、最初はどのようにして良いのか分からなかったのが、本音だった。彼女たちのリーダーとなる美津子にしても、閑職に追い込まれながら仕事をして弱みを握るにしても相手は大企業の社長とだけあって下手に動けば潰されてしまうのが目に見えている。御曹司という肩書を前に、社員二人と元愛人というのはあまりに敵対関係が成立しないにも程がある。

何とか付け込めないかと考えた末、出した答えが舞衣を佑介に近づけさせて結婚し、その後殺害して遺産を山分けするという算段になった。元々佑介にはかつて妹がおり、溺愛してたが不慮の事故で死んでしまったという過去に目をつけたのだ。そんな妹の杏奈とそっくりな舞衣が出てくるわけだが、ここでも無理が生じます。相手は良家の家柄で、令嬢だった杏奈も語学や茶道に秀でた才女だったという。けれど舞衣はどこにでもいるフリーターの少女だったため、美津子たちはまず舞衣を立派な令嬢と見てもらえるようにと様々な習い事をさせることから始める。この時、復讐のために全員が同居しており、一つ屋根の下で勉強という雰囲気が流れます。

舞衣にしても最初は面白半分から参加したが、窮屈さに退屈を感じて抜けようとしたが、あることをきっかけに計画への参加を本格的に決意する。ここからがある意味怒涛の展開とも言える。

不測の出会い

じっくり令嬢に仕立ててから出会わせようとする計画に、じれったさと身の危険を感じた由佳里の暴走によって舞衣は佑介と邂逅を果たしてしまう。そのまま連れ去るように佑介と会うが、何とか身につけた仕草や語学によって最高の印象を植え付ける舞衣。その後付き合いがある美津子に関係を問うなどして明らかに狼狽する佑介の姿を見て、美津子は薄っすらと微笑むだけで答えない。

彼女たちが仕掛けた罠は着実に佑介の心に舞衣という存在を縫わせていき、やがて明確なプロポーズをもらうまでに至った。計画の第二段階へ踏み込める、そう思っていたがここで予想外の事件が発生する。舞衣が何者かに刺されて下半身不随に陥り、婚約の話も破断になりかけるがそれでも構わないという佑介。面白いほどに話が良い方向へ進むと思っていたが、4人はこの時まで知る由もなかった。階堂佑介という男の本性を。

階堂佑介という存在

階堂物産の社長で愛人を何人も囲んで奔放に振舞っていたが、それらが彼の心を見たことは一度もない。元々彼の心は一途過ぎるほどにあるものへ傾倒していた。妹の杏奈である、そして妹とよく似た舞衣との結婚は彼の欲望というボルテージを最高潮にまでしてしまった。結婚した後、屋敷内で暮らし始める舞衣だが、そこから一歩も出られない監禁されてしまう。連絡もつかない中で、舞衣は佑介の部屋のパソコンから過去、何者かに拉致された際の動画を見つけて唖然とする。

そう、舞衣を刺したり彼女の周りに様々な不幸を呼び込んでいたのは佑介本人だったのだ。その後地下室に動けないことを取られて文字通りの監禁状態になってしまうのだった。辛くも仲間たちに連絡をとって脱出に成功し、これ以上付き合う必要はないとして次の算段を考える。

佑介の右腕

そんな佑介には異母兄である杉山 隆生という右腕がいた。階堂物産の顧問弁護士であり、彼の身辺をキレイにする仕事も担っていたこともあり、舞衣たちの計画にもいち早く勘付く。様々な裏工作を経て計画失敗を目論むなど、様々な一手を興じる。佑介が妹の杏奈に対して異常なまでの執着を見せていたことも知っていたため、暴走すると予想していたために助けだす代わりに離婚に承諾するよう舞衣に要求したりもした。

その後これ以上付き合えないとして佑介の殺害に舞衣たちと協力し、彼を青酸カリによって殺害し、その後不慮の事故に見せかける。ただそれでも彼は諦めておらず、全ての罪を妻である舞衣になすりつけるなど、彼女たちの計画が完全失敗に追い込まれる寸前まで追い込んだ。

栄光、そして

それから杉山の計画を潰すため、彼が真犯人である証拠を提出して警察に逮捕させた美津子たちは無事勾留されていた舞衣の解放に成功する。そして彼女たちは莫大すぎる遺産とともに優雅な暮らしを満喫していた。美津子は会社を起こして社長になり、京子は夫と離婚して新しい人生を、京子は借金を全額返済するという目的を達成し、全てが順風満帆だった。

けれどその時間も長くは続かず、ドライブを4人でしていた時にかつて彼女たちが起こした罪の一つが露見して警察に追いつめられてしまいます。最早逃げ場がないと悟った彼女たちは、それぞれ顔を見合わせて捕まるぐらいならといった決意とともに、自動車を海まで走らせた。明確に描写はなかったものの、自動車は海に落ちて全員溺死するという結末を迎えたと匂わせつつ物語は終幕となる。

女性犯罪というよりは

4作品の女性が犯罪をする作品を取り上げましたが、片や横領・片や死体解体・片や殺人鬼・片や遺産奪取と、中々にハードな内容が多くある。こうして俯瞰するだけでも作品の色があって面白いが、OUTと殺人鬼フジコの衝動は別格かも知れません。それだけインパクトが強いという証拠なのかもしれませんが、リアルにこうした事件が起こっているだけにあまり笑えない。

猟奇的な事件を起こすのは男女関係ないでしょうが、改めて映像化すると女性が平然とやっているのも見るだけでもかなり心的な負担は伴うため、見る時は注意しよう。